オウンドメディアCMSとは?
オウンドメディアCMSとは企業や団体が自社のメディアを運営するために使用するCMS(コンテンツ管理システム)の一つです。オウンドメディアCMSは企業や団体が自社のメディアを運営するためのツールとして、記事の作成や編集、公開、配信管理などの機能を提供しており、具体的には下記のような機能を有しています。
記事管理機能 | 記事の作成、編集、削除、公開設定などを行うことができます。 |
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画像・動画管理機能 | 記事に掲載する画像や動画をアップロードし、管理することができます。 |
カテゴリー管理機能 | 記事を分類するカテゴリーを設定し、管理することができます。 |
タグ管理機能 | 記事にタグを設定することで、関連記事の表示や検索を行うことができます。 |
コンテンツ配信機能 | 記事の公開や更新、SNSへの自動配信などを行うことができます。 |
CMSとは?
CMSとは「Content Management System」の略で、コンテンツ(情報)の管理を支援するシステムのことです。ウェブサイトやブログなどのオンラインメディアの制作や運用において、記事や画像、動画などのコンテンツを効率的に管理・編集するために利用されます。
画像出典:CMSとは?導入のメリットや障壁、CMSの種類(WordPressなど)徹底解説|プロモニスタ
オウンドメディア用CMSの種類
オウンドメディアCMSには多様な種類が存在します。以下では代表的な種類について説明します。
Movable Type
Movable Typeは、日本発のCMSで、企業や個人ブログなどの運営に利用されています。テンプレートやウィジェットなどを組み合わせることで、自由なレイアウトのサイトを作成することができます。
Drupal
Drupalは、PHPで書かれたオープンソースのCMSで、大規模サイトに向いています。高いセキュリティ性や柔軟性が特徴で、大規模サイトの運営に適しています。
Joomla!
Joomla!は、PHPで書かれたオープンソースのCMSで、ビジネス向けのサイトやポータルサイトの運営に利用されています。多言語対応やSEO対策が強化されており、多機能なサイトを作成することができます。
SquareSpace
SquareSpaceは、テンプレートを用いたクラウドベースのCMSで、ビジネスや個人向けのサイトの制作に利用されています。使いやすさと美しさが特徴で、デザインにこだわりたいユーザーに適しています。
Wix
Wixは、テンプレートを用いたクラウドベースのCMSで、初心者でも簡単にサイトを作成することができます。多機能なアプリが用意されており、ECサイトやイベントサイトの運営にも利用されています。
WordPress
WordPressは、世界中で広く使われているオープンソースのCMSです。無料で使えることや、豊富なプラグインやテーマがあることが特徴です。また、簡単に使えるため、初心者でも扱いやすく、多くのユーザーに利用されています。
WordPressとの違い
オウンドメディアCMSとWordPressとの主な違いは、以下のとおりです。
カスタマイズ性 | オウンドメディアCMSは、企業のオウンドメディアの運営に特化しており、そのための機能が充実しています。 WordPressは、多機能である反面、カスタマイズするには専門的な知識が必要になる場合があります。 |
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セキュリティ性 | WordPressは、多くのユーザーが利用するため、セキュリティの面で不安があるとされています。 一方、オウンドメディアCMSは、企業の情報を扱うことを前提にセキュリティが強化されており、安心して利用できるとされています。 |
コンテンツ管理 | オウンドメディアCMSは、企業のオウンドメディアの運営に最適化されたコンテンツ管理機能を備えています。 WordPressもコンテンツ管理は可能ですが、オウンドメディアCMSほどの専門性はありません。 |
以上のように、オウンドメディアCMSとWordPressにはそれぞれ特徴があります。企業が自社のオウンドメディアを運営する際には、目的や必要な機能に合わせて適切なCMSを選ぶ必要があります。
オウンドメディアCMSの導入メリット
オウンドメディアCMSについて解説した所で、次はオウンドメディアCMSのメリットについて解説していきましょう。オウンドメディアCMSのメリットは下記の3点になります。
ウェブサイト制作の効率化
効率化
オウンドメディアCMSを導入することにより記事の作成や編集が効率化されます。独自のカスタマイズや機能拡張が可能であるため、編集者が必要な情報を素早く取得できるようになります。また、自動化された作業によって編集作業の手間や時間を削減することができます。
情報管理
オウンドメディアCMSは記事や画像、動画、音声などのコンテンツを管理することができます。コンテンツの一元管理によって情報の整理や共有がしやすくなります。また、検索機能が強化されており、必要な情報をすばやく見つけることができます。
コンテンツマーケティングにおける強み
オウンドメディアCMSを使用する事でのメリットの1つとしてコンテンツマーケティングにおける強みというものがあります。具体的には下記の2点がメリットとして挙げられます。
ブランドイメージの向上
オウンドメディアCMSを使用することでブランドイメージを向上することができます。独自のデザインやレイアウトを適用することができ、企業のブランドカラーやイメージに沿ったサイトを作成することができます。また、オウンドメディアCMSによって企業のコンテンツ戦略を実現することができます。
読者の参加促進
オウンドメディアCMSを導入することにより読者の参加を促進することができます。コメント欄やSNS連携機能などがあり、読者とのコミュニケーションを深めることができます。また、読者が自分の興味のあるコンテンツを探しやすくなり、リピート率の向上につながることがあります。
SEO対策の強化
オウンドメディアCMSを導入することによりSEO対策がしやすくなります。サイト内のコンテンツを最適化することで検索エンジンの検索結果に表示されやすくなります。また、オウンドメディアCMSにはSEO対策に必要な機能や設定が搭載されており、専門的な知識がなくても効果的なSEO対策が行えます。
オウンドメディアCMSの導入デメリット
オウンドメディアCMSにはデメリットも存在します。それは気軽に導入するには無視できないコストです。導入時のコストはもちろん、それらを維持するためのコストも考えなければならないため、取り敢えず導入してみようという気軽さで運用はできません。デメリットを把握した上で十分な準備をする必要があると言えるでしょう。
導入コストの高さ
CMSの導入にはコストがかかることがあります。特に専門的な技術が必要な場合は、外部のエージェントや専門家を雇う必要があるため、コストが高くなることがあります。
保守・管理の負担
CMSの導入により企業は自社サイトの保守・管理を自ら行う必要が生じます。このため、定期的なバックアップやアップデート、セキュリティ対策など、多くの負担が生じることがあります。
学習コスト
CMSを使ったサイト運営にはある程度の学習コストが必要です。新たにCMSを導入する場合、従業員に対するトレーニングや研修が必要となるため学習コストが発生します。また、CMS自体が複雑である場合、学習コストが高くなることがあります。
カスタマイズの難しさ
オウンドメディアCMSは既存のテンプレートやプラグインを使用することが多いため、カスタマイズに関しては制限があることがあります。企業の特定の要件に合わせたカスタマイズが必要な場合、CMSがその要件を満たすことができない場合もあります。
運用に必要なスキルの高さ
オウンドメディアCMSの導入により、企業が自社サイトの管理を行うために必要な技術的な知識が必要となります。このためCMSの適切な設定が行われていない場合、セキュリティ上のリスクが生じる可能性があります。また、CMS自体がセキュリティ的な問題を抱えている場合もあります。
他にも、CMSの操作自体が難しい場合もありますが、特にオウンドメディアCMSは独自の機能や設定が多く、初めての人には扱いにくい場合があります。
この問題を解決するために、オウンドメディアCMSを導入する前にスタッフのトレーニングや外部の専門家のサポートを検討することが重要です。また、運用に必要なスキルの高さが課題である場合には別のCMSを検討することも一つの選択肢となるでしょう。
オウンドメディアCMSの機能
オウンドメディアCMSのメリットやデメリットについて解説した所で、次はオウンドメディアCMSの主な機能について説明します。
コンテンツ管理機能
オウンドメディアCMSには作成したコンテンツを管理する機能があります。例えば、公開日時の設定や公開範囲の設定、アクセス数やクリック数の集計などが行えます。
SEO対策機能
オウンドメディアCMSにはSEO(検索エンジン最適化)対策機能が備わっているものがあります。SEO対策機能を有するCMSを利用することで、検索エンジンでの表示順位向上やアクセス数の増加が期待できます。
以下に、主なオウンドメディアCMSのSEO対策機能を表にまとめました。
機能 | 説明 |
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タイトルタグ・メタディスクリプション | 記事のタイトルタグとメタディスクリプションを自動生成・設定する機能 |
URL設定 | SEOに適したURLを自動生成する機能 |
レスポンシブデザイン | スマートフォンやタブレットなど、様々な端末に対応したデザインを自動生成する機能 |
キーワード自動抽出 | 記事のキーワードを自動抽出し、タグ設定やSEO対策に利用する機能 |
サイトマップ自動生成 | サイトマップを自動生成することで、クローラーがサイト内を効率的に巡回することができる |
これらのSEO対策機能は手動で行う場合と比べて、時間と労力をかけずに簡単にSEO対策を行うことができます。しかし、機能を使いこなすためにはSEOの基礎知識やスキルが必要です。また、SEO対策機能が備わっているからといって必ずしも上位表示されるわけではなく、コンテンツの質やリンクなども重要な要素となるため、注意が必要です。
分析機能
オウンドメディアCMSにはアクセス解析やコンテンツの改善に役立つ解析・改善機能があります。アクセス解析によりコンテンツの閲覧状況や訪問者の属性などを把握し、改善につなげることができます。また、ABテストなどの機能も備えており、コンテンツの改善を容易に行うことができます。
オウンドメディアCMSの制作・構築
オウンドメディアCMSの制作・構築について説明します。オウンドメディアCMSを導入するには、まずCMSの制作・構築が必要です。CMSの制作・構築には、以下のような手順があります。
オウンドメディアCMSの制作方法
1. CMSの機能要件を定義する | まず、CMSに必要な機能要件を定義します。 例えば、記事の投稿や管理、画像のアップロード、SEO対策機能などが必要な場合があります。 |
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2. CMSの外観・デザインを決定する | CMSの外観・デザインを決定します。 企業のCIに沿ったデザインにすることで、ブランドイメージの向上につながります。 |
3. CMSの開発・設計を行う | CMSの開発・設計を行います。 ここでは、CMSの機能やデザインなどを実現するためのプログラミングを行います。 |
4. CMSのテストを行う | CMSのテストを行い、動作の確認をします。 CMSのテストは、投稿機能やSEO対策機能などの各機能のテストを行い、問題がないかを確認します。 |
5. CMSの導入・運用を行う | CMSの導入後は、企業が自社のメディアを運用するために必要な設定を行います。 例えば、記事の投稿や管理、SEO対策のための設定などがあります。 また、CMSの保守・運用も重要です。 |
以上がオウンドメディアCMSの制作・構築に必要な手順です。CMSの制作・構築には、多くの時間や人員が必要となるため、専門的な知識と技術を持つ人材が必要となります。
構築に必要なスキル
オウンドメディアCMSを構築するには、以下のスキルが必要です。
Webデザインのスキル
オウンドメディアCMSを構築するためには、ウェブサイトのデザインをするスキルが必要です。デザインは、ユーザビリティを高めることで読者に快適な閲覧体験を提供するために重要です。
HTML/CSSのスキル
ウェブサイトを作るために必要なHTML/CSSのスキルは、オウンドメディアCMSを構築する上でも必須です。HTML/CSSを使って、ウェブサイトのレイアウトやデザインを実現することができます。
プログラミングのスキル
オウンドメディアCMSを構築するためには、プログラミングのスキルが必要です。CMSによっては、PHPやJavaScriptといった言語を使って、カスタマイズや機能の拡張を行うことができます。
SEO対策のスキル
ウェブサイトを運営するためには、SEO対策が必要です。オウンドメディアCMSを構築する際にも、SEO対策のスキルが必要です。例えば、タイトルタグやメタディスクリプションなどの設定ができるようになっているCMSもあります。
プロジェクト管理のスキル
オウンドメディアCMSの構築は、複数人で作業を行うことが多いため、プロジェクト管理のスキルが必要です。タスク管理や進捗管理、コミュニケーション能力などが求められます。
オウンドメディアCMSの運用方法
オウンドメディアCMSを運営するために必要な手順やスキルを解説した所で、続いてオウンドメディアCMSの運用方法について解説します。オウンドメディアCMSの運用方法には、以下のようなステップがあります。
コンテンツの企画・制作
オウンドメディアCMSを運用するためには、まずコンテンツの企画・制作が必要です。企画には、ターゲットとなる読者層や、コンテンツの目的・テーマを設定することが重要です。制作には、記事の執筆や画像・動画の制作、編集作業が含まれます。
CMSへの投稿
制作したコンテンツをオウンドメディアCMSに投稿します。記事タイトルや本文、画像・動画ファイルなどをアップロードし、公開日時や公開範囲などの設定を行います。投稿したコンテンツは、CMS内の記事一覧やカテゴリーごとに表示されます。
コンテンツの配信
投稿したコンテンツを読者に配信します。SNSやメールマガジン、RSSなどの配信手段を用いることで、読者にコンテンツを届けることができます。また、SEO対策や広告などを活用して、より多くの読者にアクセスしてもらうことも重要です。
効果測定・改善
配信したコンテンツの効果を測定し、改善することで、より効果的な運用が可能です。アクセス解析やSNSの反応などを分析し、読者の反応やニーズを把握することで、より質の高いコンテンツを提供することができます。
以上が、オウンドメディアCMSの運用方法になります。企画・制作から配信まで、スムーズに運用することで、読者とのつながりを深め、効果的なマーケティングが可能となります。
コンテンツ更新の方法
オウンドメディアCMSを使ったコンテンツ更新方法について説明します。
エディターを利用した更新
オウンドメディアCMSでは、エディターを使って簡単にコンテンツを更新できます。エディターには、テキストや画像を挿入する機能や、簡単な書式設定を行う機能があります。また、複数の人が同時に更新作業を行えるように、バージョン管理機能が備わっていることもあります。
マルチチャネル投稿機能を活用した更新
オウンドメディアCMSには、マルチチャネル投稿機能があります。これを使えば、同じコンテンツを複数のプラットフォームに一括して投稿できるため、更新作業の効率化が図れます。
APIを利用した更新
APIを使って、オウンドメディアCMSに外部からコンテンツを投稿することもできます。例えば、自社のウェブサイトと連携させることができます。
以上のように、オウンドメディアCMSでは、エディターやマルチチャネル投稿機能、APIを利用して、効率的にコンテンツを更新することができます。
サイトの安定運用のためのポイント
サイトを安定運用するためのポイントとしては2つの要素を意識する必要があります。それは「サイトの意義を機能させる」という事と「サイトを安定運用できる環境を維持する」という事です。
サイトの意義を機能させるという事はすなわち多くの人にサイトを訪れて貰うという事にほかなりません。そのための手段の1つとして、SNSとの連携を行うことでより多くのユーザーにオウンドメディアCMSのコンテンツを知ってもらうことができます。SNSでのシェアボタンを設置したり、SNSでのキャンペーンを実施することで、より多くのユーザーを取り込むことができます。
次にサイトを安定運用できるように維持するという点についてですが、オウンドメディアCMSを運用するには適切なサーバー環境が必要です。サーバーの性能やセキュリティに注意し、安定した運用を実現することが重要です。また、バックアップの取得などの適切な対策を講じることも必要です。
まとめ
以上、オウンドメディアCMSについて解説しました。オウンドメディアを適切に運用することで認知度を広げたり、効率的な情報発信や管理を行うことができたり、ユーザーとより近い距離でコミュニケーションを取ることができるようになります。オウンドメディアCMSの導入を検討している方は、下記の注意点を意識した上で慎重に検討しましょう。
オウンドメディアCMSの注意点まとめ
- 運用には導入コストや維持コストがかかる
- 効果的に運用するには専門的な知識が必要
- 定期的な更新や積極的な発信が必要
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オウンドメディアCMSに関するQ&A
オウンドメディアCMSとは、自社のメディアを運営するために必要な機能を提供するCMSの一種です。
オウンドメディアCMSには、WordPressやMovable Type、Squarespaceなど、多くの種類があります。
オウンドメディアCMSを導入するメリットとして、自社のメディアの制作・運用が容易になること、SEO効果が期待できること、自社のブランドイメージを向上させることが挙げられます。
オウンドメディアCMSを導入するデメリットとして、初期費用や運用コストがかかること、セキュリティ対策が必要であること、導入前の適切な検討が必要であることが挙げられます。
オウンドメディアCMSを使って自社のメディアを運営する方法は、まずCMSの導入・構築を行い、必要な機能を追加し、コンテンツの作成・公開を行うことです。
オウンドメディアCMSの機能には、記事の投稿・編集・公開、画像・動画のアップロード、ページの作成・編集、SEO対策機能、アクセス解析機能などがあります。
オウンドメディアCMSの制作には、CMSの選定、テーマの選定・カスタマイズ、必要なプラグイン・機能の導入、コンテンツの制作などが必要です。
はい、WordPress以外にもMovable Type、Squarespace、Drupal、Joomlaなど、多くのオウンドメディアが存在しています。